建物劣化と修繕について【まとめ.ver】

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建物劣化と修繕について【まとめ.ver】

建物劣化

 

長期間居住者がいなかったり、人の出入りのない「空き家」は、実際に人が住んでいる住宅と比べ、劣化の進行が早いと言われています。

また、不法投棄や放火などの恐れもあり、周辺環境の悪化にも影響を及ぼし、近隣トラブルにも繋がるリスクもあります。

いざ売却しようと思っても売り手がつかず、自身の別荘として活用するにも、設備関係の修繕やリフォームに、多額の費用が必要になる可能性があります。

 

 

では、なぜ空き家は住宅に比べて劣化の進行が早いのでしょう?

劣化の進行が早い主な原因には、以下のようなものがあります。

 

 

1. 換気不足によるカビなど

人の出入りがなく、玄関や窓を長期間締め切った状態である空き家は、湿気が溜まりやすく、カビが繁殖してしまいます。特に、湿気の多い梅雨や夏場などは要注意です。

カビの発生によりエアコンや換気扇といった空調設備の劣化に大きく影響を与えます。

 

 

2. 給排水管、ガス管などの劣化

長い期間使用していない給排水管やガス管は、管の内側に付着したヘドロや異物の乾燥や硬化により、ひび割れもしくは破損しやすい状態になってしまいます。

また、管自体に異常が見られなくても、実際に使用を再開すると、不作動を起こしやすいとも言われています。

排水管にはU字の部分に水が溜まる仕掛け(排水トラップ)があり、これにより匂いの逆流を防いでおりますが、水が乾燥などにより無くなってしまい、室内へ匂いが流れ込んできてしまうことがあります。

 

 

3. 害虫・害獣の発生や雨漏り

敷地内に雑草が生い茂ったり、犬や猫などの小動物が住み着いたりすると、糞などの影響で悪臭が発生する恐れがあります。

また、シロアリの侵入によって柱や壁に穴が開いてしまうこともあり、発見が遅れると、雨漏りによる湿気増加によりさらに空き家の浸食が進んでしまいます。

住んでいない家屋というのは動物などの生き物は雨風しのげる場所でもあるので住み着きやすくなってしまいます。

中には住み着いた小動物や害虫が電気の配線や柱を噛みちぎってしまう場合もあります

 

 

4. トラブルや異変に気付けない

空き家は人が住んでいない為、台風により屋根が破損したり、何か不測の事態が起きても気付ける人がいないという事になります。

早急に対処せずにそのまま放置していると、損傷と劣化が合わさって進行し、とんでもないことになっていた、というケースも多々あります。空き家の所有者は、半年・一年と放置せず、月に一度は様子を確認するようにしましょう。

 

では、空き家が劣化してしまうとどの様なデメリットがあるのでしょうか?

 

 

1. 売却する場合

劣化が進んだ空き家は買い手がつかず、住む人間もいないことで、さらに劣化が進んでしまいます。

もし「所有者が空き家を適切に管理せず放置していた」という事実が発覚すれば、外観だけを綺麗にリフォームしても、買い手の信用を得る事は難しいでしょう。

逆を言えば、長期間空き家となっていた家でも、定期的にしっかりと管理を実施すれば、買い手が見つかる可能性も高くなるでしょう。

 

 

2. 将来住む予定、別荘として使用する場合

時期が来て、いざ自分が住もうと思った時に放置したままの状態では、カビや雑草、クロスの補修や畳、給排水管やガス管の交換など、大規模なリフォームが必要になる事が考えられます。

入居しようと思っても、多額の費用が必要になるという事です。

 

また、臭いは消せない場合もあり、掃除をしても砂が落ちてしまうというような問題に悩まされる、といったケースも考えられます。

 

 

3. 賃貸物件として貸し出す場合

空き家を売りたくないという場合、賃貸物件として貸し出すという選択肢も考えられます。

その際は、建物の状態が良ければすぐに貸し出すことができますが、リフォームや修繕が必要なケースも多いでしょう。

劣化の進んだ空き家を賃貸に出そうとする場合、多くの費用を投資して空き家をリフォームし、綺麗にしなければなりません。

入居者がなかなか見つからなければ、リフォームに費用がかかったものの家賃収入が得られない……という状態になるケースも想定されます。

 

この様に、空き家は放置しておく事で様々なデメリットが発生します。

では、そんな空き家を維持していく為の具体的な対策と、空き家管理会社についてご説明します。

 

1. 対策について

 

◆定期的な換気

窓を開け換気を行いましょう。通電状況にもよると思いますが、換気扇も回すと良いと思います。

また庭木の背丈が高くなり風通しに影響がある場合もあると思いますので管理の一部としてお手入れするとより効率よく換気に繋がります。

頻繁にできない場合もあるとは思いますが、最低でも月一度に40分~1時間くらいは行いましょう。

 

◆ライフラインの使用

水道や電気、ガスなどは使用していないうちに、配管等の劣化が進んでしまうこともありますが、それよりも現実的に心配なことは水道の凍結や匂いの問題です。

水道を使用する事によりU字部分に水が溜まり排水より悪臭が上がってくることを防ぐことができ、錆の予防にもなります。

月に一度でも1.2分くらいは通水を行い蛇口の様子やパッキンの劣化も確認しましょう。

電気に関しては火災や漏電の原因にもつながってしまいますので、必ずブレーカーを落とし、使用するときにだけ上げて使用しましょう。

 

ガスを維持するかは、管理への考え方によって異なりますが、水道や電気と比べると必要性が高いとはいえません。

安全面を優先させるのであれば、解約した方が所有者にとっては安心ですが頻繁に宿泊して管理するのであれば、もちろん維持しておいた方が便利です。

 

◆外回りもしっかり対策をしましょう

管理されていない空き家は防災対策も施されていません。
ゴミが溜まっていたり、庭には燃えやすい枯れ草が伸び放題になっていたりします。
このような理由で空き家は地域の防災面の妨げになっています。
ごみが大量に放置された場合には、ネズミやゴキブリその他の害虫・害獣が発生して悪臭を発し、周囲に悪影響を及ぼしたり、著しく不衛生な状態をもたらすでしょう。
また、野良犬や野良猫が住み着いて、その糞尿による悪臭等も問題になる可能性があります。
住み着いてしまったネズミなどが電気の配線を噛みちぎられたり、エアコンの室外機を住処にしてしまう場合もあります。その為、故障の原因に繋がり、いざ使おうとしても使用できないケースも少なくありません。

 

 

2. 空き家管理会社とは

 

所有者に代わり空き家の維持管理を行ってくれる会社があり、費用はかかりますがご自身で管理する手間や時間を減らせる便利なサービスです。

各管理会社により異なりますが、対応してくれる項目としては以下の様な物が挙げられます。

 

  1. 管理物件に看板設置し緊急時の問い合わせや近隣からのご連絡に対応してくれる
  2. 定期的に通気や換気、設備の使用やメンテナンス等を行ってくれる
  3. お庭の庭木や雑草をお手入れ隣地への越境物や景観の悪化防止
  4. 廃棄物や不法投棄があった場合に処分等の依頼ができる
  5. 毎月定期点検後に報告書を送付してくれるから現状確認出来て安心
  6. 自然災害後や近隣からの苦情などの緊急の際も一時対し報告

 

管理会社に依頼することによりご自身で行うべき作業をすべて対応してくれます。

維持管理を行うことに必要不可欠な知識も備えているのでとても安心と言えますし、

特に緊急時の対応についてはご自身で駆けつけるのが困難な場合もあると思いますので

管理会社に依頼するメリットはたくさんあると思います。

 

空き家の緊急修繕の必要性

 

相続手続きを行い空き家の所有者になると、当該物件の管理義務が発生します。

また、その空き家を起因として第三者や近隣住民が被害を被った場合、法律上の損害賠償責任が発生する場合もあります。

昨今の空き家問題で多く見受けられるのが、損害を放置するなどの管理義務を怠った事による賠償問題です。

まずは、空き家が被害を受ける原因として多いケースをご紹介します。

 

空き家が被害を受ける原因として多いケース

 

1. 台風・大雪・豪雨などの自然災害による被害

 

空き家は居住建物より建築年数が古い場合が多く経年劣化も進んでいる為、自然災害による被害を受けやすい傾向にあります。

台風による被害で多いケースは「風災」による物で、「屋根が飛ばされた」「飛来物により外壁がへこんだ」等の事例が多く見られます。

また、雨量や立地によっては「水災」による床上浸水などの被害も考えられます。

 

 

2. 老朽化による被害

 

人が住んでいる家は、ドアや窓の開閉による室内の空気の入れ替えが自然に行われている状態ですが、人の出入りがなければ部屋には同じ空気が停滞したままの状態となり湿気によるカビの繁殖や、シロアリ・害獣などが繁殖する原因になります。

また、長期に渡り水道が使われない状態が続くと、排水管の水が蒸発してしまい汚臭や虫の発生を誘発します。

 

 

3. 第三者による被害

 

空き家に関して最も懸念される問題の1つに、鍵や窓ガラスを壊して不法侵入する「住み着き」や、「空き巣」が挙げられます。

中には、家財道具を破壊したり、ゴミを放置して、部屋を不衛生なままにする悪質なケースも見られます。

そのほか、タバコの火の不始末や放火による火災発生も考えられます。

 

 

このように、空き家は放置しているだけで多くの危険性を秘めています。

それでは、上記の様な被害を放置した場合に想定されるケースを幾つかご紹介します。

 

空き家被害を放置した場合に想定されるケース

 

1. 建物の老朽化と大型台風

 

老朽化して壊れた空き家を放置した場合、最も怖いのは飛来物です。

老朽化が進んでいる事もあり、強風により飛散する可能性が非常に高くなります。

大型の台風が通過した際には、強風で巻き上げられ、周辺に散乱した太陽光パネルの衝撃的な画像がニュースにもなっていました。

建物だけでなく、北風や強風による飛散物が通行人に怪我を負わせたり、近隣の住宅を破損させるなどの被害が及ぶ可能性もあります。

 

 

2. 水災によるシロアリの発生

 

水災により浸水していても、定期的に管理をしていなければ気が付かないケースも多く、「建物の耐久性が落ちても自分が住んでいる訳ではないから問題ない。」と思うかもしれませんが、一番深刻な問題はシロアリの発生です。

湿った土台などの木部を好むシロアリが発生すれば、近隣の住宅にも被害が広がる可能性があり、苦情やクレームの発生が考えられます。

 

 

3. 小動物や害虫の発生

 

台風や地震で破損した箇所や、屋根のずれた瓦などから小動物や害虫が侵入してくる可能性があります。

そのまま棲みついたり、そこで繁殖した動物たちが周辺の敷地や家屋に侵入して、二次被害を発生させる恐れがあります。

また、その糞尿は臭いや衛生面でも近隣の方が大きな迷惑を被ることにもなるでしょう。

 

 

上記で挙げた例の他にも、被害を放置した事による近隣からの相談や苦情は多く報告されています。

では、損害を放置せず早期に発見し、必要な修繕を実行する為にはどの様な対策を取ればいいのか解説します。

 

被害対策

 

1. 火災保険の加入

 

自然災害による被害の修繕費は、100万円を超えるケースも多く、何かしらの対策をしていないと、修繕費をご自身で負担しなければならないケースが考えられます。

そこで必要になるのが「火災保険の加入」です。

 

通常の火災保険は、住居としての価値がある建物の損害を補償するために加入します。

しかし、逆に空き家ならではのリスクが発生することも考えられます。

 

たとえば、空き家が火災により全焼した場合、所有者は焼けてしまった家の残存物を片づけたり、撤去したりしなくてはならず、そのための費用が必ず発生します。

また、前述した通り、台風などで廃屋のようになった空き家の屋根が飛んで近隣の家を壊した、人を怪我させたとなると、所有者として損害賠償の責任が発生します。

預貯金で賄えないような損害を与えてしまった場合は保険で備える必要が出てくるのです。

以上を踏まえて、必要な保険の内容を整理すると「建物にかける保険」と「第三者への損害を補償する保険」の2点が挙げられます。

 

では、それぞれの内容を詳しくご説明します。

 

 

1-1. 建物にかける保険

 

火災保険は建物の用途によって保険料が変わります。

建物に人が住んでいれば住宅として火災保険に加入できますが、人が住んでいない「空き家」は火災保険の契約上「住宅」とはみなされないのが一般的です。

多くの保険会社では「一般物件」として店舗や事務所と同じような扱いで保険契約を行うことができますが、住宅に比べて保険料が割高になる可能性があります。

また、建物が廃屋のようになっているなど、管理状態によっては火災保険そのものが契約できない場合もありますので、ここでも「適切な管理による状態維持」がポイントになってきます。

 

補償内容はプランにより異なりますが、最低限必要な内容は「火事」「風災・雹災・雪災」になります。

 

また、「盗難」「外部からの飛来物」「水濡れ」なども出来る事なら付けておきたい補償内容になります。

 

 

1-2. 第三者への損害を補償する保険

 

賠償事故の解決に必要となるのが施設賠償責任保険です。

個人賠償責任保険は自分や家族が物を壊した、あるいは人を傷つけた時の保険ですが、施設賠償責任保険は「空き家」の所有者が管理の不手際で、物を壊したり人を傷つけたりした時の保険です。

 

特に他の家を壊してしまった、人に大きなけがをさせてしまったといった場合は、損害賠償が高額になるおそれもあります。預貯金で賄いきれない損害には保険で備えることが必要です。

 

この保険は建物の保険に付ける「特約」扱いとなりますので、保険契約の際に選択しておけば問題ありません。

 

 

2. 管理の委託

 

空き家を所有したら一度外部委託を検討される事をお勧めします。

管理を委託すると、費用はかかりますが管理の負担が大きく軽減され、委託にかかる費用以上のメリットを得られる可能性も高くなります。

 

特に移動の負担が大きいケースでは、移動が無くなる事も大きなメリットになります。

また、基本的にはサービス内容が選択できる様になっており、自分に合ったプランを選んで管理をお任せできます。

建物についての知識を持った管理者に管理をしてもらえるため、任せて安心できる他、月1回は必ず管理を実施する為、前述した様な被害や異常の早期発見にも繋がります。

 

さらに、管理業者に委託した場合「管理看板が出る」など、権威性がでる場合もあり、個人で管理するよりも犯罪抑止効果などに大きな効果を発揮します。

 

 

この様に、空き家を取り巻く問題はご自身が想定されているよりも多く複雑ですが、それを一手に任せられるのが「管理委託」という事になります。

 

まずはご自身の現状と要望を含めて管理会社にご相談される事をお勧めします。